『本屋さんのある街で』|なくなって初めて気づく、町の本屋の大切さ

小説

学生時代、お小遣いを握りしめて漫画の新刊を買いに近所の本屋へ向かっていたことを思い出しました。

今では大型書店やショッピングモール、ネットで買うことが増えましたが、この本を読んで町の本屋の存在の大きさを改めて感じました。

5人の作家が描く「本屋」をテーマにした短編集。

今回は、その中でも特に印象に残ったことをご紹介します。

今回紹介する本はこちらです👇

学生時代の本屋を思い出した

学生時代、漫画の新刊の発売日になるとお小遣いを握り締めて近所の本屋さんへ向かっていました。

店主の方とはなにを話したか覚えていません。

でも、本屋へ向かうときのワクワク感や店内の雰囲気などは今でも鮮明に覚えています。

そんな懐かしい気持ちを思い出させてくれる一冊でした。

5人の作家が描く、それぞれの「本屋」

本作は5人の作家による短編集です。

凪良ゆうさん以外は作品を読んだことがありませんでした。

それでも、短編集の魅力としては一つのテーマに対していろんな作家の方が描く世界観に触れられることだと思います。

正直、今まではしっかりと本の世界に入り込みたいので短編集は避けてきました。

しかし、同じ「本屋」というテーマでも、それぞれ違った色があり、とても楽しめました。

同じテーマだからこそ、作家ごとの個性を際立って感じられ、とても印象に残りました。

恋愛や家族、本屋で働く人など描かれる切り口も様々で、どの作品にもそれぞれの温かさがありました。

「この作家の長編も読んでみたい」

そう思える出会いがあったのも、短編集ならではの魅力だと思います。

今後、同じように好きなテーマの短編集があれば読んでみようと思えるきっかけになりました。

「手に取ってみろよ」が一番印象に残った

私が読んでいて特に印象に残った作品は

坂木司さんの「手に取ってみろよ」です。

この話は、職場恋愛で破局し退職し

友人の開く本屋の雇われ店長として店を一から作っていくお話です。

薄利多売の本屋を経営することの難しさ。

なにより昔お世話になった本屋さんがなくなっていることの寂しさも感じました。

この二つが強く心に残りました。

「この先どうなっていくんだろう。」

そんな気持ちで自然とページをめくる手が止まりませんでした。

なくなって初めて気づく町の本屋の大切さ

冒頭に書いた私が学生時代通っていた本屋さんは万引きが多くて閉店に繋がったという悲しい噂も聞きました。

当時は高校生になり、行動範囲も広がっていたので、本を買うのに困ったりすることもなく、あまり気に留めることはありませんでした。

でも今、読書が趣味となって振り返るとあの本屋さんはとても貴重な存在だったのだと思います。

今住んでいる地域も大型店舗やショッピングモール内の本屋さんにいくばかりで、個人経営のお店に行くことはほとんどありません。

だからこそ、もし近くに本屋があるならそこで本を買って応援したい。

微力ながらでも本に携わる人の力になれたら。そんな気持ちになりました。

読んで思ったこと

この本には、読書家や作家だけが登場するわけではありません。

日常の中に自然と本屋が溶け込んでいて、とても心地よかったです。

本屋は本を買うだけでなく、人とのつながりやその人の思い出の風景の一部でもあると思いました。

読書が好きになったからこそ、あの時もっと本屋に通えばよかった。

これからは本を読むだけでなく、本屋さんで本を買うということも大切にしていきたい。

そう思わせてくれる、心温まる一冊でした。

📚今回読んだ本

▶︎こんな人におすすめです

・本屋が好きな人

・心温まる短編集を読みたい人

・いろいろな作家の作品に触れてみたい人

・昔ながらの町の本屋に懐かしさを感じる人

▶︎こんな人には合わないかも

・長編小説をじっくり読みたい人

・ミステリや大きなどんでん返しを求める人

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