※映画をこれから観る予定の方は、原作の内容に触れているためご注意ください。
M-1グランプリ史上最年少優勝をはじめ、
お笑い界で数々の賞を取り、今やテレビでもよく見る霜降り明星・せいや。
その明るくお茶の間を笑顔にしてくれる人柄の裏で、過去に壮絶ないじめにあっていたそうです。
『人生を変えたコント』は映画化され、
2026年12月18日公開予定です。
私はこの本の存在を「金スマ」で知り、すぐ購入し読みました。
ドラマや映画のような綺麗事だらけの話ではなく、せいやがいじめに立ち向かい克服していく様は正直涙が出ました。
今、いじめに限らず人生に悩む人やお子さんを持つ方にはぜひ親子で読んでもらいたいと思えた作品です。
今回紹介する本はこちら👇
「これが友達か」と思えた瞬間
イシカワ(霜降りせいや)は中学までは地元でお調子者で昔からの友達と楽しく過ごしていた。
高校へ入学し、新たに友達を作ることの難しさを痛感しました。
日に日にグループが形成され、焦りを感じていたイシカワは意を決して、一発ギャグをすると場はしらけてしまい「変なやつ」というレッテルを貼られてしまう。
そして、ある朝学校に行くと
自分の机がひっくり返されていた。
いじめもひどくなり、ストレスから円形脱毛症を発症します。
いじめられても学校に通い続けるが、弁当をひっくり返されたことで母親に申し訳なく思い教室以外で昼食を取ることにしたイシカワ。
試行錯誤の結果見つけた体育館裏の「オアシス」。
そこで同じく1人でご飯を食べていたヤマイと出会い、イシカワの高校生活は大きく変わっていくことになります。
お笑いが好きでお笑い番組から深夜のラジオ
まで聞くほどのお笑い好き。面白いと思ったネタをノートに書き起こすほどでした。
そんなイシカワに転機が訪れます。
それはその学校名物の「文劇祭」。
各クラスで劇などの出し物で優秀なクラスを決める一大イベント。
そこでイシカワとヤマイはある計画を立てます。
文劇祭の劇でイシカワが台本を書きコントを披露するというものでした。
出し物を決めるホームルームで一世一代のプレゼンをしないといけないイシカワにヤマイが勇気を振り絞って援護射撃をしてくれます。
その時にイシカワは
「これが友達か。(中略)胸を張って友達と呼べる一人がいればこんなにも人生は明るくなるんだ」
いじめられているイシカワを援護することはヤマイ自身もいじめられる可能性があるとても勇気のいる行動でした。
それを友達のためにと立ち上がってくれたことに感謝し、友達のありがたみを身に沁みて感じた瞬間でもありました。
このシーンは自分の立場に置き換えてみるととても凄いことだなと思いました。
今まで目立たず過ごしてきた学校生活の中でもしかしたら自分もいじめられる可能性もある中、友達のために立ち上がるのは簡単にできることではありません。
高校生のクラスという空間は、当事者にとってはこれがすべてとすら思える空間です。
今この本を読んだ私にもできるかというと少し考えてしまうかもしれません。
本当に良い友達に出会えたんだなと思いました。
どん底から這い上がった人は強い
そして、無事プレゼンで爆笑をかっさらいクラスの出し物に決まったオリジナルコント
「リアル桃太郎」
桃から生まれた桃太郎をめぐりおじいさんがおばあさんの浮気を疑い、弁護士などが出てくるというシュールな内容です。
クラスみんなで準備や練習を行い、リーダーとしてまとめていくイシカワ。
順調に思われた文劇祭の準備中に
舞台セットが壊されるという事件が起き、せっかく良くなりかけた雰囲気にも暗雲が。
そこでもへこたれず、前向きに準備を進めていました。
自分のために協力してくれているみんなのため、絶対に成功させるという強い気持ちで立ち向かっていました。
どんなにいじめられて苦しくても、家族に心配をかけたくない、負けたくないという気持ちから学校に通い続けたことが、イシカワの心を強く成長させていたみたいです。
「どん底から這い上がった人は強い」
まさにこの言葉通りだと思いました。
苦しい時期があったからこそ這い上がったらもう落ちたくない。
地獄のような日々があったからこそ今目の前のことに幸せを感じ生きていける。
どん底を知った人にはそんな強さがあるのかなと思いました。
私自身はここまでのいじめにあったことはありませんが、高校時代に野球部で極度の不調により部活を辞めようかと迷った時期がありました。
その時は本当に人生のどん底のように感じ、あんなに好きだった野球も苦痛しか感じずとても苦しい時期を過ごしました。
そこでも仲間と諦めずに試行錯誤していった結果、壁を突破し無事最後までやり遂げることができました。
今となっては酒のつまみで笑える話になりましたが、それも這い上がって来れたからこそだと思っています。
あの時より辛い思いをすることはなかなかないし、突破した先には明るい未来が待っていることを体験したのでちょっとやそっとではへこたれる気がしません。
なのでこの言葉についてはとても共感することができました。
復讐するより、自分の好きなものを大切にする
本番当日も嫌がらせをしてきた黒川軍団ですが、事前にその情報をクラスメイトが教えてくれていたので、逆手に取りそれすらも笑いに変えるように準備をしていました。
そんなこんなで紆余曲折ありながらも無事大成功を遂げた「リアル桃太郎」。
今までいじめられていてそれをどうにか見返して復讐してやろうと思っていたイシカワ。
しかし、文劇祭をやり遂げた後にはそんな気持ちは消え失せていたそうです。
自分のことを好きでいてくれる人達と自分の好きなもの、それを大切にしていくことが一番の復讐になると考えたそうです。
この考えはとても素晴らしいと思いました。同じように黒川軍団をハミにすることができるような立場になっていました。
しかし、それをするとあいつらと同じになってしまうと思い、復讐することはやめました。
高校生で机をひっくり返されたり、円形脱毛症でニット帽を被らないと登校できないほどのストレスを感じていたのに、自分にされた嫌なことを人にしないということを選んだイシカワはとても素晴らしい決断だったと思います。
それにはイシカワの努力だけでなく、その努力を認めてくれたクラスメイトの存在も大きかったと思います。
こんな経験はなかなかできないでしょう。
そして、この経験を素晴らしい学びに変え、人生を好転させたのは紛れもなく自分自身の諦めない気持ちだったと思います。
生きているだけで使命を果たしている
人は生まれた時に家族や周りの人を笑顔にしている。
それだけで生まれてきた使命は果たしている。
残りはみんなを幸せにしたご褒美で生きているだけ。
と考えたそうです。
そう考えると無理に嫌な思いをしなくても好きな人たちと好きなものだけのために生きればいいと思えそうです。
学生時代はちょっとしたボタンの掛け違いで不仲になったり、いじめに発展してしまいます。
いじめている側はちょっとした遊びのつもりでもいじめられている側は命を断つことも考えるくらい大きな影響を受けます。
大人になったり、周りから見れば
「そんなことで死ぬ必要ないよ」
と思っていても学生時代のコミュニティは狭いためそれが全てに思えてしまいます。
そこを負けずに自力で打開しようとしたイシカワの努力にクラスメイトも心動かされ、最高の学校生活が送れたのでしょう。
この経験は本当に強いと思います。
だからといってみんながみんないじめられて自力で打開できるわけではありません。
みんなが
「自分のことを好きな人たちと自分の好きなものがあればいい」
そう思って生きていけばみんな幸せになれるのではないか?
そう思わされる一冊でした。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめ
・いじめや人間関係について考えさせられる本を読みたい人
・人生で苦しい時期を乗り越えた人の実体験を読みたい人
・霜降り明星・せいやさんのお笑いの原点を知りたい人
・映画化される作品を原作から楽しみたい人
▶︎こんな人には合わないかも
・いじめや学校生活の辛い描写を読みたくない人
・重いテーマより気軽に読める作品を探している人
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