ネット通販で買い物をして時間指定したのに、忘れていたことありませんか?
嫌がらせのように訪れる謎の配達員。
配達の指定時間に荷物を受け取れなかった人達に訪れた恐怖の体験を書き綴ったモキュメンタリー小説。
※モキュメンタリー…フィクションをドキュメンタリーのように見せる作品
今回紹介する本はこちらです👇
日常生活でありそうなモキュメンタリー
近年はネット販売は日常生活を支えるインフラのひとつとなっています。
時間指定ができ、とても便利になっています。
しかし、時間指定したにもかかわらずうっかり忘れていたり、どうしても出ないといけないことがあって”不在票が入っている”なんてことは誰しも経験したことがあると思います。
この物語は、そんな誰もがやってしまうかも知れない日常に潜む恐怖を描いています。
不在を繰り返してしまった人達の元へ変な配達員が来るようになる。
インターホンを3回
ドアノックを3回
「さくら運送です」と3回
不在票と共に送られてくる
「お客様が不在の為お荷物を持ち帰りました。」
のショートメール。
またいつもの迷惑メールかと思っていたら
同じ時間に変な配達員も訪ねてきていることがわかり少し怖くなる。
“3”という数字の魔力
この作中には、”3″という数字が頻繁に使われています。
“3”はことわざなどでよく使われている数字で、
・仏の顔も三度まで
・石の上にも三年
・二度あることは三度ある
他にもたくさんのことわざ、慣用句に使われています。
基本的には良い意味で使われたりするイメージですが、良くも悪くもパワーを感じる数字だと思っています。
ここでの”3″はどんな意味を持たせているのか?
個人的にはとても興味深いところでした。
人の思い込みの怖さ
色々と含みや伏線ようなシーンもありますが、一番この話の中で訴えているポイントは「人の思い込み」についてではないかと推測しながら読んでいました。
ある大学生が何も起きていない場所で献花を行い、人が死んだ噂が流れるかどうかの実験をしていました。
まさか人の死んでいない場所に献花がされているとは思いませんし、私も花が置いてあればそうなのかな?って思ってしまうと思います。
その後、その話を知った配達員がある行動を起こし、実験は成功しました。
人の思い込みや勘違いの力は、
想像以上に強大なのかもしれないと思うような内容でした。
ここはゾクっとしたポイントなので
明言は避けておきます。
“あるかも知れない”恐怖
全体を通してホラー要素のある物語ですが、これはもしかしたら身近でも
“あり得ることなんじゃないか?”
そう思わせられる物語でした。
今は家に宅配ボックスがあるので不在票が入っていることはほとんどありませんが、
もし何度も不在にしてしまうと本当に来るのではないか?
そんなリアルさを感じてしまいました。
それと、気軽に使えるネット通販ですが、
配達員の方の大変な尽力があってこそなんだ。
便利になった裏ではこんなにも労力をかけてくれているんだと知ることができました。
当たり前だと思っていることは本当に当たり前なのか?
もっと日頃の”当たり前”に感謝しようと思いました。
少し話はズレたかもしれませんが、
社会風刺的な要素もあり、面白く読めました。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめです。
・日常に潜む怖さを味わいたい人
・モキュメンタリー作品が好きな人
・“ありそうな恐怖”が好きな人
日常に潜む違和感を描いた作品が好きな方には『変な地図』もおすすめです。

