「殺人犯にならなければ脱出できない」
ミステリー界で話題の
“夕木春央”さんの最新作『楽園』
本作は『方舟』『十戒』に続く三部作の完結編です。
ただ、それぞれが独立した物語なので本作から読んでも十分楽しめます。
待望の最新作を読んでみたので紹介します。
今回紹介する本はこちら👇
脱出条件は「誰か一人を殺すこと」
亡き両親から不動産を譲り受けた康之は賃借人・海原の遺品整理の際に「楽園」と呼ばれる群馬の山奥の謎の物件の存在を知る。
恋人の沙織とその物件を訪ね、探索していると6人の”住人”に捕えられます。
そこからの脱出の条件は…
「誰か一人を殺さなければならない」
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設定を読んだ時の印象は
「殺さないと出れない?どういう状況?」
と首を傾げた反面、
「この作者ならうまく作り込んでいるんだろうな」
という妙な期待感が込み上げてきました。
『方舟』『十戒』では、ことごとく騙されてきたので今回はミステリーを楽しみつつも全力で真相を見つけてやるぞと意気込んで読み始めました。
極限状態へ追い込む設定が秀逸
“住人”によって「楽園」から逃げる手段を奪われている康之と沙織。
そんな中、”住人”を含む全員に予想外の展開が次々に起きてしまいます。
だんだんと日が経つにつれて殺人を犯さないと元の生活には戻れないんじゃないかと思い始めます。
この著者の作品は、クローズドサークルでの設定の作り方が抜群に上手く、その世界観の中で巧みに誘導されているような気がします。
『楽園』においてもこうしたら逃げれるのではないかと浮かんだアイデアはことごとく潰されていき、康之と共に私ももう殺す以外ないんじゃないかと思わされてきました。
最後まで疑い続けても騙される
そして、何よりすごいと思ったのが、読者の思考を巧みに誘導する構成です。
この人があやしいのではないかと疑って読み進めていきました。
「さすがにここからはひっくり返せないだろう」
そう思い始めてもいました。
しかし、そんな状態から更にもう一押しひっくり返されました。
色々と裏を読み確信に近い状態まで読み取れたと思っていたはずなのに…。
今までの二作を読んでいたからこそ、こうやって疑うだろうと見透かされた上でひっくり返されたような気もします。
そういった挑戦者を弄ぶかの如く騙されました。
もちろん初めて読んだ方にも魅力満載のミステリーとなっています。
この作品は夕木春央作の虜になってしまう一冊だと思います。
読んで思ったこと
この作品は発売が発表されてからずっと楽しみにしていた作品でした。
そんなハードルが上がった状態でも、存分に楽しめました。
こうしてブログを書いている今も少し興奮しているかもしれません。
読みやすさの中に、ミステリーの魅力を存分に詰め込まれていました。
読み終わった後に、巻末にQRコードが付いており、公式ネタバレサイトにアクセスできます。
IDやパスワードはちょっとした謎解きをしてログインできる仕組みになっています。
現在はまだ公開準備中とのことで情報は解禁されていませんが(2026/7/26現在)、読後の答え合わせも含め一冊で何度も楽しめるようになっています。
公式サイトでは7月末ごろにアクセスできるようになるみたいです。
それを見るのもとても楽しみです。
また時間が経って読み直したくなるそんな一冊でもありました。
夕木春央作品が気になっている方なら、きっと満足できる一冊だ思います。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめ
・クローズドサークル作品が好きな人
・最後まで犯人を考察しながら読みたい人
・どんでん返しのあるミステリーが好きな人
・『方舟』『十戒』が面白かった人
▶︎こんな人には合わないかも
・グロテスクな描写が苦手な人
・ゆったりした物語を読みたい人
・重い心理戦が苦手な人
📚合わせて読みたい一冊
『楽園』で夕木春央作品の魅力を感じた方には、『方舟』もおすすめです。
私が初めて読んだ夕木春央作品でもあり、最後まで翻弄された一冊でした。
▶︎『方舟』のレビューはこちら

