アメトーークの「本屋で読書芸人」を観て手に取った
3年程前に「アメトーーク」の読書大好き芸人の回で現役書店員芸人・カモシダせぶんさんが紹介していた一冊が
『5A73』
都内で線路への飛び込み自殺が続き、遺体には幽霊文字「暃」のタトゥーシールが貼られていた。5人の自殺者の共通点とは。「暃」が持つ意味とは——。
テレビで概要を聞いただけで、ぞわっとした。どんでん返し系のミステリーが好きな自分にとって、「読まない理由がない」と思えるほど魅力的な設定でした。
今回紹介する本はこちらです👇
幽霊文字という設定に惹かれて読み始めた
アメトーークで「5A73」とは幽霊文字のJISコードであると紹介されていた。
調べてみると実際にそのような文字が存在することがわかり、とても興味を持ちました。
読み方も意味もない文字が存在する…
その事実だけで十分すぎるくらい不気味でした。と同時に、こう思った。「この謎、絶対に論理的な答えがあるはずだ」と。
ミステリー好きの私にはどんな話が描かれているのか気になってしまいました。
序盤はぐいぐい引き込まれる展開だった
序盤は自殺した5人の共通点を探ったり、
「暃」はどこかで使われていないか
など捜査していく場面が中心でした。
いろんな人に話を聞き、いろんな解釈を考えたり登場人物たちがああでもない。こうでもないと議論するシーン。
読んでいる自分も考えてしまい、どんどん惹き込まれていく感じがしました。
展開の仕方も巧みで自殺した人たちの繋がりなども徐々に明かされ、どんな繋がりで
「暃」の文字にどんな意味があってみんな自ら死を選んだのだろうかと妄想しながら読み進めていきました。
序盤だけで言えば、間違いなく今年読んだミステリーの中でトップクラスの引力でした。
終盤の展開はやや唐突に感じた
終盤になり、キーポイントとなる人物が登場します。
これまでにも自殺者達とニアミスしている姿は描かれており、ここでついに明かされるのか…
と期待が最高潮に達しました。
しかし、蓋を開けてみると——自分が想像していた「論理的な解明」ではありませんでした。
もちろん真相が明かされていくのですが、
思っていた世界観と違う。
ネタバレになるかもしれませんが、
ミステリーからオカルトへと変化していったように感じました。
序盤から中盤にかけて期待感は膨らむばかりでしたが、どんでん返し系を期待していた私には終盤に来て加速することなく尻すぼみになったイメージでした。
ミステリーとしては好みが分かれる一冊
読後の感想としては、いちミステリーファンとしては「これはミステリーなの?」という疑問が浮かんでしまう物語でした。
期待し過ぎていたのもあって余計にそう感じてしまったのかもしれません。
「幽霊文字」という題材としては
かなり謎に包まれたものだっただけに
最後に有耶無耶にされた感じがして
少し残念だったなというのが
私の正直な感想です。
ただ、冷静になってみると自分自身が
「ミステリーはこうあるべき」
という先入観との闘いだった様な気がします。
幽霊文字の意味について考察しているシーンはこちらも一緒になって考察して楽しかったので先入観なしに読むと楽しめたのかもしれません。
発想の面白さは印象に残ったが、
読後感という意味では好みが分かれる作品だと感じた。
同じように評価が分かれるミステリーとしては
『殺戮にいたる病』も思い出した。
強烈な印象を残す一冊だが、
読む人によって評価が大きく分かれる作品だと思いました。
賛否両論となる作品にはそれだけ議論に値する引力のある作品なのかもしれません。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめです。
・少し変わった設定のミステリーを読みたい人
・少し不気味な設定や都市伝説のような雰囲気が好きな人
・アメトーークで紹介された本が気になっている人
▶︎ こんな人には合わないかも
・どんでん返しや論理的な解決を求める人
・スッキリした読後感を重視する人

