「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく」
2023年【本屋大賞受賞作】
読書好きな方々からも高評価であることは知っていましたが、有名すぎて読まずに来ていました。
瀬戸内海に浮かぶ島に住む高校生の櫂(かい)と暁海(あきみ)
ともに複雑な家庭環境による心の隙間や孤独を抱える2人は互いに惹かれあっていきます。
自由を求めて島を出ていく者、
不自由な環境に縛られ生きていく者
互いに惹かれ合う2人。
しかし、それぞれの葛藤や環境の変化によって少しずつすれ違っていく。
2人の行く末が気になるあらすじに惹かれ読んでみました。
今回紹介する本はこちらです👇
現実にありそうな人間関係のリアルさ
「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく」
これは一体どういう意味なのか?
父親が浮気をし、家にほとんど帰らない状態で母親がおかしくなってきている娘・暁海。
男に振り回され続けるシングルマザーの息子・櫂。
夫婦生活が破綻している家族、男に振り回され続けるシングルマザー。
閉鎖的な島での生活。
ちょっとしたことでもすぐに噂は回り、好奇の目で見られてしまう。
そんな中、互いに複雑な家庭環境という共通点もあり、打ち解け恋仲になる。
環境が変われば人も変わる
2人は心の隙間を埋めるかのように、仲を深めていった。
櫂は元々やっていた漫画の原作者となる為、高校卒業後は東京へいくことになっていた。
夢を叶える為、そして自分の人生を歩む為大きな一歩を踏み出そうとしていた。
一方の暁海も東京の大学に行きたいと別居中の父に頼み込み進学の支援をしてもらうことに。
やっと、島から出てしがらみから抜け出せる。
そんな期待に胸を躍らせていた矢先、
ある事件が起きる。
そして、暁海はその事件をきっかけに島に残ることを決め、櫂との遠距離恋愛が始まります。
上京し、漫画が売れ始め忙しくなる櫂。
遠距離でなかなか連絡も取れなくなり、不安になる暁海。
そして、人気売れっ子作家になった櫂と島暮らしの暁海には少しずつすれ違いが起きていく。
過去は変えられなくても“上書き”はできる
惹かれあって愛を育んでいた2人に起きたすれ違い。
読んでいると、
「もっと話し合ったらいいのに」
「もっと合理的に考えたら?」
そんなことも思いましたが、
ここでも描かれているように周りからは簡単に見えても当事者たちには簡単にいかないこともある。
これは自分自身に置き換えても経験のあることだなと思いましたし、その葛藤にとても共感できました。
そういったモヤモヤも描かれているからこそ、リアルな感情として胸を打たれるのかもしれません。
「過去は変えられないけど、上書きはできる」
この言葉はとても深く刺さりました。
過去は変えられないということはネガティブな意味ではなく、これからは変えることができるというメッセージなんだと知れたことはとても大きかったです。
「同じ場所には戻れない。ただ近くに来るだけ。」
この言葉もとても印象に残っています。
一見すると元に戻ったように見えても、
人はさまざまな経験や感情を積み重ねています。
だから完全に“昔と同じ”には戻れない。
これは成長でもあり、
ある意味では不可逆的な人生そのものを表しているようにも感じました。
この言葉の意味を知っているだけで今後の人生に良い影響を及ぼしてくれる気がします。
家族の形は外からではわからない
この物語の中では、様々な事情を抱えた”家族”の形が出てきます。
外からではわからないそれぞれの家族の形や、家族だからこそ割り切れない葛藤が強く描かれていました。
だからこそ自分の家族にはしっかり向き合って、誰に何を言われても揺るがない絆を紡いでいくことが大切なんだなと感じました。
「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく」
この一文は、エピローグまで読むと意味が変わってくる言葉でした。
それぞれの家族の形を周りから見るのと内情を知っているのとでは受け取り方は大きく変わってきました。
正直、普段読まない恋愛系の小説でここまで心動かされるとは思いませんでした。
そして、凪良ゆうさんの作品にもっと触れてみたくなりました。
普段の私は、原作を読むと映画は観ないことが多いです。
小説の中で自分なりに想像した世界観を壊したくないから。
ですが、この『汝、星のごとく』は珍しく映画も観てみたいと思いました。
2026年10月9日に映画公開予定とのことですが、どのように映像化されるのかとても気になっています。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめです。
・人生での悩み、葛藤がある人
・家族の在り方を考えている人
・映画化作品の原作を読みたい人

