2023年本屋大賞受賞作の
『汝、星のごとく』
のその後を描いたスピンオフ作品です。
『汝、星のごとく』をまだ読んでない方はまずはそちらから読んでみてください。
→『汝、星のごとく』の感想はこちら
本編を読んだ後に、続編を読むことで、登場人物への理解や物語の奥深さをより強く感じられました。
今回紹介する本はこちらです👇
本編では語られなかった「その後」の物語
『汝、星のごとく』で描ききれていないそれぞれの登場人物のアナザーストーリーを描いた本作。
若くして亡くなった櫂の死後、周りの人達がどう生きたのかを語っています。
心に沁みるような作品で綺麗な形で終わった本編でしたが、一方で櫂が死ぬ間際に書き残した書籍や暁海の人生などどうなったのか気になっているところはありました。
ここでは登場人物の年齢ごとに章が変わり、時の流れが移り変わる様子をわかりやすく描いています。
人それぞれにある「幸せの形」
この本を読んでいて印象に残ったのは、出てくる人達のそれぞれの「幸せの形」についてです。
世間一般的な価値観では測れない幸せ。
それぞれが自分に合った幸せの形の答えを見つけて生きていく姿がとても印象的でした。
周りからどう思われても自分で見つけた答えに真摯に向き合っていく姿を見せられ、幸せとはそういうことなんだなと思いました。
みんながやってるから。
◯◯さんの家はこうらしいよ〜。
そんな尺度で自分の幸せは測れないと改めて気付かされ、私も私なりの幸せの形を見つけ、ブレずに自分なりの幸せを大切にしていきたいと思えました。
『汝、星のごとく』を読んだからこそ見える景色
この作品の1番の魅力としては、やはり
『汝、星のごとく』を読んだからこそ裏側を知ることでより本編の奥深さを知れることです。
北原先生と暁海の関係性をはじめ、本編を読んだからこそ深く味わえる場面がたくさんありました。
互助会から始まった2人の関係が、最後には長年連れ添った夫婦のような絆に見えたこともとても印象に残っています。
あのいつも冷静な北原先生の気持ちが揺れ動く様が見れたのもなんだか微笑ましい気持ちになりましたし、この2人が本当の意味で結ばれたことが一ファンとして嬉しかったです。
それから、結ちゃんの結婚式の時の描写で周りからなんと言われようと、結ちゃんの生みの親、今の妻を並べた北原先生の器の大きさ、寛大さには驚きました。
現実にはそのほうが良いとわかっていても実現しづらいこともありますが、ここでも北原先生の芯がブレずに貫き通しているからこその描写だと思いました。
もちろん、『汝、星のごとく』だけを読んでもとても心に沁みる1冊だと人におすすめします。
ただ、どうせ読むなら『星を編む』まで読んで欲しいという思いが強くなりました。
私にとって『星を編む』まで読んで『汝、星のごとく』は完結したように感じたからです。
そして、アナザーストーリーを読むことでより心が温かくなった気がします。
そして、会ったこともない芸能人や、SNS上で知らない人を批判したりするよりも、私の周りにいる大切にしたい家族や友人と向き合い、大切にしていきたい。
そんな気持ちになりました。
物語は読むたびに違う景色を見せてくれる
「物語は不思議だ。内容は同じなのに、自分の気分や状況によって胸に残る場面やセリフが変わる。」
この本での一節ですが、ここにはかなり共感できました。
まさしくこの通りで、その時の状況や気分、体調などで同じ文を読んでも受け取り方が変わってきます。
ここ最近は息子の成長を感じられたり、仕事も順調なので、自分で言うのもなんですがとても幸せだなと感じています。
今の自分が読んだ時と、うまくいかない時期に同じ本を読んだ時とで、どう感じ方が変わるのか比べてみるのも面白いのではないかと思いました。
その時々で感情移入する人物が変わったり、思うことが変わってくるのも読書の醍醐味だと思っています。
もちろん、読む人の立場によっても感じ方は違うと思います。
だからこそ、読んだ後にいろんな人との感想を言語化して語り合う時間も、読書の楽しみの一つだと感じています。
📚今回読んだ本
▶︎こんな人におすすめです
・『汝、星のごとく』を読んだ人
・登場人物たちの”その後”が気になる人
・人生や幸せについて考えさせられる物語を読みたい人
・読書のたびに感じ方が変わる作品が好きな人
▶︎こんな人には合わないかも
・『汝、星のごとく』を読んでいない人
・テンポの速い展開を求める人
・派手などんでん返しを期待している人

